三 色 吉 の 四 季

蛇水神社の奥にある七ッ堤は、昔からよく知られています。
 金蛇さんと言えば、牡丹より七ッ堤を懐かしく話題にする人も居るほどです。 
 先人達の水を確保するための知恵と苦労をしのび、七ッ堤を
 懐かしむ人たちの夢の跡を訪ねてみました。

図の堤の部分をクリックすると、各堤の説明が表示されます。
また、最初の堤からご覧になる場合には、そのまま下へスクロールしてください。

* 地図の表記は、「やどづつみ」が「宿堤」「屋土堤」「屋戸堤」と異なる。
 3番目の堤「し(す)げみずづつみ」も「繁水堤」「杉水堤」「蜜水堤」と様々である。
 また「堤(つつみ)」を「堰(せき)」とするものもあるが、
ここでは問わないことにする。



金蛇水神社の大鳥居の前を道なりに、緩やかな坂道を上って行くと、150m ほどで
杉林をぬける。急に開けて、広々とした採石場跡に出る。
金蛇さんの裏門のそば、左側に最初の堤がある。これが「やどづつみ」である。

番目の屋土堤は、珍しく氷が張っ
 ていた。(2/15正午)
 「堤の氷」には多くの人の心に、
 決して溶けることのない思い出が詰
 まっていることでしょう。
  少し進んで、振りかえって東を見る
 と遠く太平洋、仙台空港そして広がる
 名取耕土を遠望することが出来る。









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番目の太郎左衛門堤は、補強工事をしてまもなく水害で決壊し、そのまま放置されている。堰堤の高さと長く続く深い沢から、かなりの貯水量があったものと思われる。
 今までに何度、崩れたことだろう。その度に、人々は改修補強工事を重ね、稲作農民にとって貴重な水資源を確保してきた。

機械力の無かった時代、人力と牛馬の力での工事、どれほど多くの汗と時には血とを流したことか。
人々の苦労に思いをはせた。
春には、山ツツジ、山桜、など多くの花が咲きそろう。


















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番目の繁水堤は、七ッ堤の中で唯一、釣りを楽しめた所。
今年訪ねてその景観がすっかり変わっているのに気がついた。
堤の周りのいたる所に思い思いに作られた、釣場がすべて撤去されていた。
へらブナを釣ってはリリースして楽しんでいたのだが、ブラックバスを放流した者が居て、へらブナがいなくなってしまったとか。
 危険防止のための、真新しい金網が張ってあった。
安全な釣場があって釣り人達の集う日が来ることを願うものである。





























繁水堤
から4番目の二階堂堤の土手を望む




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番目の二階堂堤は、3っ続く堤の真ん中に位置して、七ッ堤の中で一番手が加えられた長方形の貯水池という雰囲気である。
 東側と道沿いは金網で囲われて、西側は高い土手であり、最も人を寄せ付けない、危ない感じのする堤である。

 行楽時期、子ども連れの方は、芝生のきれいな金原堤の高い土手では、充分な注意が必要である。





























          金原堤と二階堂堤(右)






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番目の金原堤は、七ッ堤の中では一番大きく、景観は最も良い。
 ハイキングや行楽で訪れ、懐かしい思い出のある人も多いことでしょう。
 この堤には、かつてボートもあったと聞く。
「日傘を差して静かにすわる君」の面影が浮かんで来る。
そして、松風の音にも、当時の賑わいが偲ばれる。
 金原堤にとっては最もロマンチックで輝いていた時代だったのでしょう
五十年ほど前のことです。

金原堤(西の方を望む)








金原堤(東の方を望む)




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番目のロッシャラ堤にも、氷が残っていた。わずかに氷が溶けた岸辺には、蛙の卵がたくさんあって、水草も多く自然がいっぱいの堤である。
きっと夏には、蛍も乱舞していることでしょう。
 水害で決壊した土手の修復にはコンクリートを使わなかったのか、自然体で、昔の面影を残している貴重な堤である。
 名前の
ロッシャラ堤とは何やら意味ありげで、ロマンを感じるのは私だけでしょうか。
 地図の上では、ここから北西に小径があるはずだが、見つからない。信仰深い人や行楽で訪れた人には、思い出多い
「禊(みそぎ)殿」跡 に通じている。

























ロッシャラ堤
の土手から松の木越しに下の金原堤を望む。
春には、山ツツジ、山桜が多く見られる所である。





ここから、岩沼市が管理するグリーンピア岩沼の地域内になり、道には立ち入り禁止の看板がある。






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番目のビル沼堤は、一つだけ少し離れている。
立ち入り禁止区域内にあり、残念ながら、今回の探訪では割愛した。



写真と文:布田 敬吾(第15班)

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